こんにちはVALORANT観戦部です。ZETAやDFMの試合が行われているのは、Twitterなどを通して結果を見て知る方も多いのではないでしょうか?しかし、実際に今はどのような大会で試合を行っているのかを理解していない方もいるのではないでしょうか?
今回はMastersやChampionsなどの世界大会を含めた2024年のVCTをシーズン通して、初心者にもわかりやすく説明していきます。
VCJやアセンションなど競技シーン全体の大会システムは以下の記事をチェック
そもそもVCTとは?
そもそもVCTとは、VALORANT Champions Tourの頭文字をとった略称のことで、VALORANTの運営を行うRiot Gamesが主催する公式トーナメントシリーズのことを指します。
VCTでは大きな国際大会として、年に2回の「Masters」と年間王者を決定する「Champions」の2種類の大会があります(2021年を除く)。
VCTについて知っておくべき重要な事実として、2022年以前の形式と2023年以降の大会の形式が大きく異なっていることです。今回は2024年のVCTを中心に2023年以降のフォーマットで説明を行いますが、以下に2022年までとの違いを記載しておくので、気になる方は読んでみてください
2022年までのVCTと現在のフォーマットの違い
2022年までのVCTとのフォーマットの違いとして、最も大きな変化はMasters やChampionsといった国際大会の出場枠が、国やいくつかの地域に細かく設けられていたものが、北南米のAmericas、ヨーロッパ周辺のEMEA、アジア太平洋地域のPacificの3地域における枠組みに変化したことです。
2022年までは、国際大会の出場枠が国別に作られていたため、日本のチームが出場するためには日本大会を勝ち抜く必要がありました。例えばZETAが世界3位を取ったMasters Reykjavikでは、日本、韓国に各1枠、それ以外のアジア地域に2枠というように出場枠がありました。
伝統の一戦であるZETA対CRがよく行われていた理由も、この日本大会で出場枠を争っていたためです。
しかし、2023年からはインターナショナルリーグが導入され、日本からはZETAとDFMの2チームのみがリーグに参加する事となりました。さらに国際大会への出場はPacific地域で上位に入る必要が出てきたため、日本にとっては国際大会出場への難易度が非常に高くなったと言えます。
よく日本のチームが弱くなったという話が話題になりますが、このような国際大会の出場条件が難しくなったことも原因の一つとして考えられそうですね。
VCT2024のフォーマット
VCTのスケジュールについて
VCT2024は3つの地域内で行われる、Kickoff・Stage1・Stage2の3大会と国際大会としてMasters2回・Championsの3大会が行われます。スケジュールは以下の画像の通りです。
・Kickoff 2月17日~2月25日
・Masters1 3月14日~3月24日
・Stage1 グループステージ:4月6日~4月29日 プレイオフ:5月3日~5月12日
・Masters2 5月23日~6月9日
・Stage2 グループステージ:6月15日~7月8日 プレイオフ:7月12日~7月21日
・Champions 8月1日~8月25日
VCTPacificの出場チーム
VCT2024年は、先ほど紹介したMastersとChampionsへの出場枠をかけて計3回の地域大会が開催されます。Pacific地域には現在11チーム所属しており、以下に出場チームを示しておきます。
- ZETA DIVISION – 日本
- DetonatioN FocusMe – 日本
- Paper Rex – シンガポール
- Gen.G Esports – 韓国
- DRX – 韓国
- T1 – 韓国
- Team Secret – フィリピン
- Rex Regum Qeon – インドネシア
- Global Esports – 南アジア(インド)
- Talon Esports – タイ
- Bleed Esports – シンガポール
Bleed Esportsは2023年のアセンションを勝ち上がり、今年からVCTPacificに参加することになりました。
これらのチームで戦うVCTPacificの大会とそれに続く国際大会についてあわせて説明していきます。
VCT Kickoff & Masters Madrid
VCT Kickoff
2024年VCTPacific最初の大会はVCTKickoffです。Kickoffは韓国で開催され、先ほど紹介した11チームが出場します。
大会は3グループに分かれ、各グループの1位と、各グループ2位の3チームの総当たり戦で勝った1チームの計4チームで決勝トーナメントが行われます。決勝はシングルエリミネーションで優勝・準優勝した2チームが次のMasters Madridに出場します。
2024年は優勝がGen.G、準優勝はPRXとなり、この2チームがMasters Madridに出場しました。日本チームではZETAがグループ2位で2位同士の総当たり戦まで勝ち進みましたが、惜しくも決勝トーナメントには出場できませんでした。
Masters Madrid
Masters MadridはAmericas、EMEA、Pacificの3地域からKickoffを勝ち抜いた2チーム×3の6チームと、中国から2チームで計8チームが出場しました。
大会形式は、2勝で勝ち抜け、2敗になると敗退のスイスドローという形式で4チームに絞られます。残った4チームでダブルエリミネーション形式のトーナメントで順位が決まります。
結果は優勝がAmericasに所属しているSentinels、準優勝がPacificのGen.Gとなりました。
初の国際大会優勝者のTenzが約3年ぶりの優勝、Pacificの2チームが2位、3位と躍進するなど、様々なドラマがあったので是非大会アーカイブ等を観てみることをおすすめします!
VCT Stage1 & Masters Shanghai
VCT Stage1
Masters Madridが終わると、VCT Stage1が始まります。Stage1ではKickoffなどの結果に基づいてAlphaとOmegaの2グループに分かれます。Stage1では自分が所属していないグループと戦います。例えばOmegaに所属するZETAは、所属していないAlphaの5チームと戦います。
ここでグループの上位3チームに残ると、Stage1のプレーオフに進出します。2グループ計6チームで行われるプレーオフは、ダブルエリミネーション形式(グループ2位対3位の初戦を除く)で行われます。プレーオフを勝ち抜いた上位3チームは上海で行われるMasters Shanghaiに進出します。
Pacific Stage1はPRXが優勝、Gen.Gが準優勝、T1が3位となり、Masters Shanghaiへと進出しました。他の地域では、Masters Madrid優勝を果たしたSentinelsがAmericas Stage1にてプレーオフ進出を逃すなど波乱もありました。
Masters Shanghai
Masters Shanghaiは枠が1つ増え、各地域3チームと中国からも3チームの計12チームが出場しました。大会形式は、各地域の2位・3位の8チームがMasters Madrid同様にスイスドロー形式で4チームに絞られます。この4チームと各地域1位の4チーム、計8チームがダブルエリミネーション形式のトーナメントで優勝を決定します。
結果は優勝がPacificのGen.Gとなり、Masters・Championsの国際大会では初のPacific地域からの優勝チームとなりました。
決勝はBO5で行われましたが、これまでPacificはBO5の試合形式での戦績が0勝7敗という悪いジンクスがありましたが、このジンクスをGen.Gは打ち破る形となりました。決勝は最終マップに突入するとてもアツい戦いになりました!
VCT Stage2 & Champions
VCT Stage2
VCT Stage2では、Stage1で戦っていない同じグループに所属するチーム同士で戦います。例えば、ZETAはOmegaグループの5チームと対戦することになります。
プレーオフはStage1と同様で、上位3チームが進出し、ダブルエリミネーション形式で戦います。プレーオフ上位3チームが同じようにChampionsへの出場権を獲得します。
ここからがStage1と異なる部分でChampionsの出場枠はそれぞれ4枠あるため、あと1枠はプレーオフの結果ではなく「チャンピオンシップポイント」と呼ばれるポイントで決まります。出場権を獲得していないチームの中でこのチャンピオンシップポイントが最も多いチームが残りの出場枠を獲得します。
チャンピオンシップポイントについては別の記事で説明しているので、その記事をご覧ください。
Champions
Championsは年間王者を決める大会で、2024年は韓国のソウルで開催します。
出場枠は各地域、中国を含め4枠の計16チームが出場します。大会形式はまず4グループでダブルエリミネーションのトーナメントを行い、1位と2位の計8チームが決勝トーナメントに進出します。
決勝トーナメントも同様にダブルエリミネーションで行われ、敗者側の決勝と決勝の2試合のみBO5で行われます。
まとめ
VCTは地域大会とそれにつながる国際大会で3つに分かれており、以下のようになっています。
- Kickoff 上位2チーム → Masters Madrid
- Stage1 上位3チーム → Masters Shanghai
- Stage2 上位3チーム+1チーム → Champions
複雑に見える大会フォーマットですが、まとめてみると意外とわかりやすい形式ですね。
日本チームは惜しくもStage1ではプレーオフ進出を逃しましたが、Stage2で勝ち上がり1度でも今シーズン国際大会に日本チームが出場する姿を観てみたいですね!Stage2のZETA、DFMを是非応援していきましょう!